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『思考の整理学』から学ぶ石鹸レビューテンプレートの改良

石鹸レビューを書き続けて数年が経つと、どうしてもテンプレートの型が硬直してきます。以前は新鮮だった切り口も、似たような表現ばかりが積み重なっていくうちに、自分でも読む気が失せるような記事が増えてしまいました。PelicanやMUJI、L'Occitaneといった石鹸を扱う以上、一つひとつの商品にはそれぞれ固有の持ち味があるはずです。それなのに、自分自身の思考が整理されていないばかりに、その差異をうまく言葉に変換できていない感覚がありました。

そんな折り、外山滋比古さんの『思考の整理学』を読み返す機会がありました。発想と整理を別々に行う、紙に書いて頭を空にする、といった原理は、石鹸レビューを書く過程にもそのまま応用できるのではないかという着想が浮かんだのです。本書で繰り返し語られるのは、情報を整理することで思考がクリアになるという視点です。

本記事では、その整理術を石鹸レビューのテンプレートに取り入れ、書き手自身にとっても読み手にとっても読みやすい記事を作るための工夫をまとめていきます。具体的には、項目立ての再構築、記述順序の改善、視覚的な整理、そして読者目線のチェックまでを順に追っていきます。

石鹸レビューがマンネリ化する理由

長年同じフォーマットで記事を書き続けると、最初は便利だったはずのテンプレートが逆に思考を縛る枷になります。たとえば「香り・泡立ち・使用感」という項目を立てるたびに、どの石鹸でも同じ文型が頭に浮かび、結論だけが先走りしてしまう。文章を書いているのに、実はなにも考えていない状態に陥りがちです。

これは、テンプレート自体が思考の整理を代行しているせいで、書き手の頭が働く余地を奪っているからかもしれません。思考の整理学では、情報をため込むのではなく、いったん外に出して紙に書くことで頭のなかを軽くする手法が推奨されています。石鹸レビューにおいても、項目を埋める作業そのものを一段落とし、観察したことをまず素直に書き出す工程を挟むべきだと感じました。

「書く」と「考える」を分ける原則

外山さんの主張のなかで特に印象的なのは、思考と執筆を同時にやらないという原則です。石鹸レビューの場合、商品を使いながらリアルタイムに原稿を書くスタイルを長く続けてきましたが、これが思考の整理を妨げていた可能性があります。

そこで最近は、まず石鹸を使った感想をメモ用紙に箇条書きで吐き出し、それを一度寝かせてから改めてテンプレートに流し込む工程を取り入れています。香りや泡立ち、価格といった切り口は後から整理するとして、最初のメモでは「とにかく思ったことを書く」ことに専念する。そうすると、翌日に読み返したときに、自分でも驚くほど言葉が滑らかに出てくるのです。

評価項目を見直す

従来のテンプレートでは、形状・香り・泡立ち・刻印・価格・総合評価という六項目を機械的に埋めていました。しかし、思考の整理学では「似たものをまとめて分類する」ことが重要だと説かれています。石鹸レビューに置き換えると、価格と使用感、刻印と形状といった関連項目の統合ができます。

具体的には、「視覚的特徴(形状・刻印)」「感覚的体験(香り・泡立ち)」「実用面(価格・持続性・肌への優しさ)」という三つの大きな括りで再構成しました。項目が減ると一見シンプルに見えますが、一項目あたりの語りはむしろ厚くなり、Pelicanのふんわりした泡とCow Brandのしっかりした泡といった、ブランドごとの個性が以前より際立つようになりました。

記述の順序を再設計する

石鹸レビューの読みやすさは、結論をどこに置くかに大きく左右されます。これまでのテンプレートでは、いきなり商品の概要から入る構成になっていました。これも思考の整理学で言われる「型を一度壊す」訓練のなかで、まずエピソードから書き起こす順序に変えてみました。

たとえば、実際に浴室で石鹸を使った朝の情景から書き始め、次に外観、最後に価格と総合評価へという流れです。読み手は情景に入り込みながら自然に商品の特徴へ引き込まれていくため、最後まで離脱せずに読み切れる記事になる傾向があります。思考の流れがそのまま文章の流れに直結する感覚は、書いていてとても心地良いものです。

視覚的な整理を取り入れる

文章構造を整えるだけでなく、見出しや区切り線の使い方といった視覚的な整理も、思考の整理学が重視するポイントです。レビューが長いと読み手は疲れてしまいますが、適度な小見出しと空白があれば、要点が目で追いやすくなります。

私の場合、石鹸ごとに「第一印象」「使用初日」「一週間後」という時間軸を明示し、それぞれの体験が独立した段落になるよう意識しています。価格が気になった読者向けに税込・税抜を本文と補足欄で分けて示すなど、必要な情報が必要な場所に来るよう構成を微調整しました。整理された見た目そのものが、書き手の思考の透明性を示す指標になります。

読者の立場から組み立てる

思考を整理するということは、結局のところ誰に何を伝えたいのかを明確にする作業でもあります。石鹸レビューを読むのは、同じ石鹸を探している人や、肌悩みを抱える人がほとんどです。そうした読者が知りたいのは、製品のスペック以上に「自分に合っているかどうか」です。

そこで最近の記事では、「脂性肌の人に向く」「敏感肌でも使いやすい」といった具体的な読者像を文中に入れるようにしています。思考の整理学で語られる「他者の目で見る」習慣は、石鹸選びの悩みに寄り添う視点そのものだとも言えるでしょう。

改良したテンプレートの効果検証

実際に改良したテンプレートでいくつかの石鹸レビューを書き直してみたところ、以前よりも記事の平均文字数に対する情報量が増しました。同じ時間を投資しても、観察の粒度が上がった分、書かれている内容が濃くなっている実感があります。テンプレートの枠には収まりつつも、そのなかで書く内容の自由度が広がったという感覚です。

一方で、新しいテンプレートは慣れるまでに時間がかかります。最初の数本は従来の癖が抜けきらず、項目ごとに機械的に書いてしまうこともありました。それでも、一度思考を整理してから書くという工程を意識し続ければ、必ずテンプレートそのものが磨かれていきます。今後も試行錯誤を続けながら、より読みやすい石鹸レビューを目指していきたいと思います。

石鹸レビューを書くすべての人に、まずは外山滋比古さんの『思考の整理学』を一読することをおすすめします。頭の中がクリアになれば、きっと石鹸の魅力も新しい言葉で表現できるはずです。思考を整理する習慣を改めて見直したい方は 整理術の解説 も参考にしてみてください。そして、当ブログでは引き続きPelicanやCow Brand、MUJI、L'Occitaneなどの石鹸レビューを更新していきますので、ぜひブックマークして新しい記事をお待ちください。