鹸の香りが続く時間を実測してみた結果
長年せっけんレビューを書き続けている中で、ずっと気になっていた疑問がありました。それは「メーカーがうたう香りが何時間くらい残るのか」という点です。パッケージには「豊かな香りが続く」「フレッシュな香り」と書かれていますが、具体的な数値はあまり見かけません。そこで今回は手元にある代表的な固形石鹸四種類について、実際に香りが持続する時間を計測してみることにしました。
計測対象は、ペリカン石鹸、牛乳石鹸、無印良品、L'Occitaneの四種類です。普段からレビューで取り扱うことの多いブランドばかりなので、すでに使用感には慣れ親しんでいる分だけ、比較もしやすいと判断しました。同じ条件のもとで計測するために、置き場所や気温、湿度といった環境要因もできるかぎり統一しています。
方法としては、石鹸を使いはじめた直後を起点として、五分後、十分後、三十分後、一時間後、二時間後、そして四時間後というタイミングで香りを確認します。嗅覚のブレを少なくするため、計測は別々の日に二回ずつ行いました。香りの強さは五段階の主観評価で記録し、少しでも感じられる状態を「持続している」とカウントしています。
今回の記事では、各ブランドの計測データを具体的に紹介していきます。石鹸選びで香りの持続性を重視する方の参考になれば嬉しいです。普段使いのせっけんを探している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
計測の条件と方法
計測は自宅の洗面所で行いました。室温は約二十四度、湿度は五十五パーセント前後で統一しています。石鹸は新品ではなく、一週間程度使ったものを用意しました。理由は、使いはじめと使い終わりで香りの強さが異なるため、実際の使用感に近い状態を知りたいからです。
香りの確認は、石鹸本体を直接嗅ぐ方法と、手に取った泡を嗅ぐ方法の二通りで行いました。本体の香りは石鹸ケースに入れたまま、表面から約五センチの位置で確認しています。泡の香りは、軽く泡立てて手のひらに乗せた状態で、同じく五センチ離れたところから嗅ぎました。
主観評価の基準は次のように決めました。五段階のうち「五」ははっきりとした香りがする場合、「三」はほのかに香る状態、「一」はほとんど感じられない状態です。「一」以上の状態が四時間後まで続いていれば、その石鹸は「香りが持続する石鹸」と分類することにしました。
ペリカン石鹸の持続データ
ペリカン石鹸の代表的なシリーズ「肌にもこころにも。」について計測しました。香りはほのかなお花のニュアンスで、使用中は優しい印象です。計測の結果、五分後の評価は「四」、十分後でも「四」を維持していました。
三十分後になると、評価は「三」に下がります。ただし完全に消えたわけではなく、うがいをした後の手のような、ふんわりとした残り香が感じられました。一時間後は「三」のまま、二時間後には「二」まで下がっています。
四時間後では「一」の評価で、香りはほとんど感じられませんでした。トータルで見ると、ペリカン石鹸の香りは約一時間半から二時間程度、しっかりと持続する石鹸だといえます。香りそのものが穏やかな分、強い残り香を期待する方には物足りないかもしれませんが、主張しすぎない石鹸を探している方には向いています。
牛乳石鹸の持続データ
牛乳石鹸は赤箱と青箱の二種類を計測しました。赤箱はほんのり甘いミルキーな香り、青箱はすっきりしたせっけんらしい香りが特徴です。まず赤箱ですが、五分後の評価は「四」、十分後は「三」へと徐々に落ちていきます。
三十分後では「三」を維持し、一時間後は「二」まで下がりました。二時間後と四時間後はともに「一」という結果で、残り香はかなり控えめです。赤箱は香りの強さよりも、使用中の心地よさを重視した設計のように感じました。
青箱もほぼ同様の結果でした。計測では五分後が「四」、十分後が「三」、三十分後が「二」、一時間後以降は「一」まで下がっています。赤箱と比較すると、青箱の方がほんの少しだけ香りが強い印象でしたが、大きな差はありませんでした。牛乳石鹸は全体的に、香りそのものよりも泡立ちや使用感に重きを置いた石鹸だと感じています。
無印良品石鹸の持続データ
無印良品のせっけん「アロマシリーズ」のラベンダーとオレンジの二種類を試しました。ラベンダーは心落ち着くハーブの香り、オレンジは柑橘系のフレッシュな香りがします。まずラベンダーの方から見ていきます。
計測では五分後が「五」、十分後が「四」、三十分後が「三」、一時間後が「三」、二時間後が「二」という結果でした。無印のせっけんは他のブランドと比べて、香り立ちがやや強めに感じます。使用中はもちろん、置いているだけでも香りが広がる印象です。
四時間後の評価は「二」で、かすかにラベンダーのニュアンスが残っていました。トータルで見ると、約三時間程度は香りの余韻が楽しめると言えます。オレンジのせっけんも似たような結果で、柑橘系の爽やかさが特徴的でした。ただし、オレンジの方がやや持続時間が短く、三十分後の評価が「二」まで下がっていました。
ロクシタン石鹸の持続データ
L'Occitaneの固形石鹸から、ローズ、シトラス ベルガモット、ラベンダーの三種類を計測しました。価格帯は他ブランドより高めですが、香料の質にこだわっているため、持続時間も気になるところです。
ローズの計測結果は非常に良好でした。五分後が「五」、十分後が「五」、三十分後が「四」、一時間後が「四」、二時間後が「三」、四時間後でも「三」を維持しています。四時間経過しても、しっかりとローズの香りが感じられるのは、さすがL'Occitaneだと感じました。
シトラス ベルガモットは五分後が「五」、十分後が「四」、三十分後が「三」、一時間後が「二」、二時間後と四時間後は「一」という結果でした。柑橘系は香りが飛びやすい傾向があるため、これは想定の範囲内です。ラベンダーは五分後が「五」、十分後が「四」、三十分後が「四」、一時間後が「三」、二時間後が「二」、四時間後が「二」と、まずまずの結果でした。
全体を見ると、L'Occitaneの石鹸は平均して三時間以上香りが持続する計算になります。香りの持続性を最重視するなら、L'Occitaneのローズかラベンダーが選択肢に入るでしょう。
石鹸の香りの持続時間を実際に計測してみると、ブランドごとの個性がよりはっきり見えてきます。香りが強い方が好みなのか、それともほのかに香る程度が良いのかは、人それぞれの好みです。今回の計測データが、自分に合った石鹸を選ぶときの参考になれば嬉しく思います。普段使いの石鹸を見直すきっかけにしてみてくださいね。日々の小さな行動について考えるときに、私がまとめたこちらの記録も参考になるかもしれません。